早期発見が「糖尿病網膜症」の予防対策

糖尿病になると、合併症として網膜症が発症することがあります。これを糖尿病性網膜症といいます。糖尿病網膜症は、血糖コントロールを十分しないまま放置して7~10年ほどで、じわりじわりと発症することがわかっています。

網膜症になってしまうと回復しにくく、確実に効く薬は今のところありません。ですから、定期的な検査によって早期に発見し、血糖値を正常な値に保つことがなによりの予防になります。

◆糖尿病網膜症の進行過程◆

糖尿病による網膜症は、その進行の段階によって、「単純網膜症」、「前増殖網膜症」、「増殖網膜症」に分けられます。

単純網膜症

高血糖が続く、網膜に張り巡らされた細小血管がつまったり、出血を起こしたり(点状出血)、血液中のタンパク質や脂肪が染み出してできたシミ(硬性白斑)や細小血管がこぶのようになった毛細血管瘤があらわれます。
この段階での出血や白斑は、視力に影響がないので自覚症状がありませんが、血糖コントロールと定期的な眼底検査をすることで改善されていきます。

前増殖網膜症

単純網膜症を放置しておくと、白斑の数が増え、細小血管がつまりコブができます。血液が網膜までに届かない部分もでて、静脈が異常に腫れあがったり、細小血管の形が不規則になります。自覚症状は、ほとんどありません。
治療は、血糖コントロールとレーザー治療を行います。

増殖網膜症

前増殖網膜症と高血糖を放置しておくと、「増殖網膜症」となります。酸素不足の網膜は、それを補うために新しい血管である「新生血管」を網膜上につくります。この新生血管は非常にもろく、破れやすい血管です。やがて、新生血管が網膜から硝子体に入り込んでいき、この状態で血圧が上がったり、衝撃を受けると出血を起こします。出血を繰り返していると「増殖膜」という網膜の上に薄い膜がつくられ、この増殖膜が健康な網膜を剥がしてしまいます。網膜剥離は、視力の低下、さらには失明に至る場合があります。
新生血管ができても、それが網膜内でとどまっている段階では、治療はレーザー光凝固法を行います。硝子体出血や網膜剥離まで進行している場合は、障害のある増殖膜や硝子体を取り除くための手術をします。

定期的に目の検査を受けましょう

網膜症は、うまく血糖コントロールできていれば発症しません。また、網膜症が「単純網膜症」の時期であれば、血糖コントロールで改善することもできます。定期的な血液検査を行い、血糖値を測定することが大切なのです。

網膜症ではないからといって安心はできません。年 1回は目の検査をするようにしましょう。「単純網膜症」3~4ヶ月に1回、「前増殖網膜症」は 1~2ヶ月に1回、「増殖網膜症」は 2週間に1回ぐらいに検査をすると安心です。